在宅医懇話会

問題提起 「往診・訪問看護時の駐車禁止問題について」

医療法人緑星会 どうたれ内科診療所 堂垂Dr

 皆さん方が日常訪問診療や訪問看護をされていて、本当に頭に来るのが駐車禁止の問題だと思います。
 08年1月の朝日新聞によれば、千葉県の訪問看護ステーションの協会がアンケート調査したところ、100事業所のうち11事業所が反則金を支払っていたということです。また全国でも1,786の回答があり、126の駐車違反がされていました。実は松戸市の医師会でもドクター向けに「往診中に駐車違反で摘発されたことがありますか」と聞いたところ、駐車違反を取られたという方が1人いらっしゃいました。
 訪問看護や、往診車で不特定多数の患者さんのところを回る場合の駐車禁止の除外の申請書類は、まじめにやりますと実にたくさんあります。いつもうちのパートの職員がやっているのを見て、「大変だなあ」と思って見ていたのですが、とにかく1人が1週間張り付きにならなければならないぐらいの書類の量です。
 しかもスライドのように、1〜8の書類を1通ずつ、それ以外は正副2通ずつ所轄の警察署ごとに届けなければなりません。例えば、当院の場合には松戸東警察、松戸警察、流山警察、柏警察といった4カ所にいちいち全部持っていくわけです。これについては皆さんも申請されている方はよくご存じだと思います。
 駐車許可申請書、車輌借上書、介護保険の許可証、それからもちろん車検証、それに訪問する看護師個々人の免許証のコピーが必要です。それからその管轄地区の利用者の一覧表とその居住地図。地図も今やインターネットで出てくるのですが、それでは認められません。1冊3万円ぐらいする地図のコピーでなければいけない。しかも駐車するところを測定した距離を入れて模式図で手描きしなければなりません。
 訪問診療をされている院長先生の駐車許可証は少し簡略ですが、それでもスライドのような書類が必要です。この駐車禁止の除外の指定の書類を3年に1回出さなければなりません。
 訪問介護事業者、あるいは訪問看護事業者も先ほどの書類を出しているのですが、それは半年に1度出さなければなりません。その費用を計算しますと決してバカにできない金額です。訪問事業者には様々の料金がかかっています。特に理不尽なのは、千葉県からNPOが来て情報公開調査料というのを年間4万円も払わなければならないことです。保険は仕方がないにしても、研修会に出なければならず、それにも費用がかかります。しかもスライドのように研修もいくつかあります。これらの合計額がだいたい27万円です。そのうち駐車禁止除外申請手続きにかかる費用が多分年間8万円ぐらいだと思います。この煩雑な手続き作業が年2回あるわけです。8万円といったら、訪問看護の看護師さんが回って1回8,000円ぐらいですから、10回分をこんなばかなことのために働いているようなものです。
そこで、「こんなバカな制度、どげんかせんといかん」ということで、ここでアンケートを挙手で取りたいと思います。

<アンケート結果>

 1.ドクター
@運転手を同乗させ、待機させて訪問診療をしている。 6人
A所轄の警察署に駐車許可書類を出している。 12人
B田舎で駐車禁止を取られる可能性はないので特に対処していない。 1人
C駐車禁止を覚悟の上で特に対処をしていない。 2人
Dタクシーを使用している。その他の方法で対処している。 0人
☆往診中に駐車違反を取られたことがある 5人

2.訪問看護師、ヘルパー
@運転手を同乗させ、待機させて訪問診療をしている。 0人
A所轄の警察署に駐車許可書類を出している。 20人
B田舎で駐車禁止を取られる可能性はないので特に対処していない。 2人
C駐車禁止を覚悟の上で特に対処をしていない。 1人
Dタクシーを使用している。その他の方法で対処している。 0人
☆訪問中に駐車違反を取られたことがある。 13人

(当日の出席者は医師31人、看護師等が60人、アンケート調査時は帰られた方もいます)

やはり予想した以上に駐車違反で苦労されていることがわかりました。これは千葉県警、千葉県知事、あるいは厚生労働省等に対して対策を講じてもらうレベルの問題です。「どげんかせんといかん!」ということで、アピールしていきたいと思います。本日はどうもご協力ありがとうございました。

≪2008年5月11日 在宅医懇話会第3回研修会≫
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